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財産分与されない特有財産ってなに?共有財産との違いを解説

「特有財産」は、結婚前の財産だけではなく、親や親族から贈与されたものも対象です。また、結婚後に配偶者からプレゼントされたものも対象となります。それ以外の婚姻中の財産はほぼ共有財産である可能性が高いです。 離婚のときに財産分与をすることが少なくありませんが、共有財産のほかに特有財産というものがあるため、違いがわからないという人も少なくありません。共有財産との違いなどを理解しておくと分与の時に役立ちます。

具体的にどんなものを特有財産と呼ぶのか例を挙げて説明します。どちらかよくわからない場合にどうしたらいいのかなども理解しておくことで、離婚時に財産面でのトラブルになることを回避できる可能性が高いです。

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[ご注意]
記事は、公開日(2022年11月8日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士に最新の法令等について確認することをおすすめします。

財産分与における「特有財産」と「共有財産」の違い 

特有財産とは、結婚する前から夫・妻が保有していた財産のことで、共有財産は結婚してから2人が作り上げた財産と定義されています。結婚してから働いて稼いだものや株式や不動産を購入して利益を得た場合は、全て2人の共有財産と法律で定義されているのが特徴です。へそくりなども共有財産となるため、離婚時の財産分与の対象となります。

基本的に民法第762条1項で「夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産とする」と定義されており、特有財産は婚姻前から保有している財産や本人が自分の名前で手に入れたもので、自分の力だけで手に入れたと第三者のお墨付きがある場合は特有財産です。

しかし、第762条2項で「夫婦のいずれかに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する」と定められているため、結婚期間中に自分自身の力だけで手に入れたと証明できない物は全てが共有財産とみなされます。

「共有財産」についてはこちらの記事もご覧ください。

基本的に共有財産の対象範囲は非常に広く、結婚期間中に夫婦がそれぞれ手に入れた月給やボーナス、夫婦生活を営むうえで必要となる家電や家具、預貯金や有価証券・不動産や退職金・年金なども対象です。ペットは生き物なので対象外と考える人も少なくありませんが、法律上ペットは物として定義されるため、共有財産となります。分与というよりもどちらが育てるかになるため、慎重に話し合うことが必要です。

正の財産だけではなく住宅ローンなどのローン関係も対象となります。ただし夫婦生活に明らかに不要とみなされるカードローンなどが明らかになった場合は特有財産です。実際に財産分与の対象となる物は非常に多いため、よくチェックしておくことが大切となります。

なお、配偶者が浪費癖のある人で将来のことを考えて貯金をしていた場合など、非常に深刻な理由がある場合には共有財産とはみなされない場合も少なくないです。この場合は弁護士に相談して事情を説明しておくことで、調停などで共有財産とみなされなくなる場合があるため早めに相談しておきましょう。

特有財産の具体例

特有財産は具体的にどんなものなのか、基本的には結婚前に保有していた正負合わせた財産といえます。 例えば、結婚前に貯めていた貯金や不動産、有価証券だけではなく、結婚前にカードローンなどを利用していた場合も対象です。ただし、特有財産と認められるかどうかは弁護士に相談することで明らかになるため、弁護士によく相談して確認することが必要といえます。 

結婚中に相続や贈与で得た財産

結婚中に相続や贈与で得た財産も、対象の範囲内です。結婚後に両親や祖父母から遺産相続としてもらった場合や、両親から贈与を受けた現金や有価証券、不動産などは特有財産となります。意外なことですが配偶者へのプレゼントも特有財産の一つです。結婚して別れる時に、「俺がお前にプレゼントしたすべては俺の金から出たものだから返せ」といわれても、プレゼントした時点で特有財産となっています。

洋服やアクセサリーのプレゼント

洋服やアクセサリーをプレゼントされている場合は、売って共有財産として返金しなければならないのかと疑問に思う人もいますが、全くそんな必要はありません。個人で購入した衣類や装飾品に関しても同様です。 ですが、あまりにも1つ当たり数百万円以上するような時計の場合、投資のために購入しているなど、夫婦の協力があって高い物を買えたと考えられて共有財産とみなされることもあります

別居後に働いて得た収入や資産など

これ以外に別居後に働いて得た収入や資産などは全て特有財産です。別居した時点で夫婦生活は機能していないと判断されるため、それぞれの収入は特有財産とみなされます。

家や車を買うときのローン

夫婦生活を営んでいるうえで家や車を買うときに組むローンは共有財産です。

個人的な趣味でほしい物を買うためのローン

個人的な趣味でほしい物を買うためにローンを組む場合は特有財産です。ほしい物がなくても夫婦生活は十分営めると判断されることが多く、個人的な買い物のために組んだローンは共有ではありません。

ギャンブルなどで形成したローン

ギャンブルなどをして勝手に配偶者が形成したローンなどは一切支払う必要はありませんし、共有財産ではないため分与の対象外です。財産分与で不安になる場合もあることが多いですが、相手の高圧的な言い方の言いなりになる必要はないため、できる限り毅然として、わからないときには弁護士に相談して対策を講じてください。

「特有財産」か「共有財産」か不明な場合

特有財産・共有財産の判断が難しい場合には第762条2項で定められた通り、共有財産とみなされます。しかし、財産分与から除外したい場合には特有財産であることを明らかにすることが必要です。特有財産かどうかを明らかにすることが難しいため、調停や離婚裁判でもめたところはいくつもあります。

特に単身赴任をしている時に配偶者が浮気をしてそのまま離婚に至る場合、どの時点から結婚関係が破綻していたかにより別居時の財産が特有財産となるのかを明らかにしなければなりません。浮気をした側としては単身赴任をした時点で特有財産という意見もありますが、法律上の判断は違います。

単身赴任の当初は夫婦関係が継続しており、浮気が明らかになったときに破綻したとみなされることから、浮気が明らかになった時点から特有財産と判断されることが圧倒的に多いです。とはいえ、単身赴任をする前から寝室が別で夫婦生活が健全に営まれていないことが明らかとなる場合には、この限りではありません。

「不貞行為」についてはこちらの記事もご覧ください。

別居の直前・直後に明らかとなった財産変動は関係なく、それまでの財産から分与を決めることもあります。別居の直前に大きな財産の変動があった場合は離婚時の財産分与のための財産隠しである可能性が疑われるため、相手側が急に財産を処分しているなどの場合は、弁護士に相談して適切な対応を取ってもらうことが重要です。

財産を判断するポイント

基本的に財産を判断するポイントは、入手する際に支払いをした人、入手後管理していた人、財産の使用目的などを詳しく調査します。また、管理している人と名義人が違う場合、理由を確認しなければならないため、聞き取りなどの調査をすることも多いです。

特有財産から購入したものなどは特有財産であるため、夫婦の共有財産とはなりませんが、特有財産から購入している不動産物件を管理しているのが配偶者であった場合、共有財産とみなされることもあります。 

一般的には離婚を考え始めた時点である程度取り決めを決めておき、公正証書で合意書を形成しておくことが望ましいです。しかし、話し合う時間がなかった、お互いに交流がなかったなどの理由により話し合いが難しい場合には家庭裁判所に申し立てをして、調停委員のもとで話し合うことが必要となります。

まとめ

一般的には特有財産とは、結婚前に形成した財産のことを指します。しかし、結婚前に形成したものであっても、必ず特有財産と認められるかは難しいところです。基本的に夫婦生活で手に入れたものは全て共有財産と考えられますが、夫婦生活に関係ないカードローンなどは対象外となります。

ペットも法律上物とみなされるため、共有財産です。結婚後双方の親族や親などからの財産分与や贈与があった場合は、特有財産と判断されます。特有財産を使って手に入れたものはほぼ特有財産とみなされますが、必ずしも当てはまらない場合も少なくないです。

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