専業主婦は離婚をする前に準備を!シングルマザーの助成金とは?
専業主婦が離婚をすると経済的な不安が大きいため準備が必要です。相手の収入を把握して財産分与を受けることや、離婚後の生活で受けられる助成金などについて知っておく必要があります。
離婚したいと考えていても専業主婦の場合は、経済的リスクなどさまざまなことを理由に離婚できずにいる方は少なくありません。しかし、離婚しないで耐えることが最善の道ではないこともあります。離婚できない理由が経済的な問題である場合は、準備しておくべきポイントを知り備えておくことで不安が解消されることもあるはずです。
[ご注意]
記事は、公開日(2022年11月10日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士に最新の法令等について確認することをおすすめします。
専業主婦が離婚するリスク
専業主婦が離婚するリスクとして多くの方が考えるのはお金や住居、子供のことに関する問題ではないでしょうか。経済的な不安から離婚したくても、離婚に踏み出せないという方もいます。
お金の問題
専業主婦の場合、離職してからの期間が長いケースでは、再就職が難しいことが少なくありません。再就職が難しい状況であると、お子様がいらっしゃる場合はさらに離婚に慎重になるのは当然のことです。
子供にとっては良い父親であった場合
離婚原因が子供への虐待や経済的DVなどではなく、子供にとっては良い父親であったということもあります。このような場合は、お子さんへの影響を考えて離婚に慎重になる方もいらっしゃるでしょう。ただし、専業主婦の方へのDVなどがあった場合、現在はその攻撃がお子さんに向いていなくても、将来お子さんに向かわない可能性がないとはいえません。相手が有責配偶者となるような行為をしている場合は、お子さんを理由に慎重になりすぎていないか考える必要もあります。
話し合いもせずに離婚届を出してしまう
離婚を切り出すタイミングによっては、相手がなんの話し合いもせずに離婚届を出してしまうケースもあります。本来受けられるはずの財産分与を受けていれば、困窮せずに生活をしていく見通しが立てられたのに、という事態にもなりかねません。離婚後にどのような準備をしておくか知り、備えておく必要があります。
専業主婦が離婚するためにしておくべき準備
離婚する際には、どちらか一方か両者が引っ越すことになるため、その費用や別居後の当座の生活費を準備しておきましょう。また、相手が離婚に応じない場合は、離婚調停や裁判で決めていくことになり弁護士費用等が必要になります。状況に応じて必要な費用は何であるか、金額はどの程度かかるか確認が必要です。
離婚する際には財産分与も行うため、財産の把握をしておきましょう。婚姻期間に築かれた財産は原則として2分の1に分けますが、結婚前から所有している財産は共有財産とはみなされません。不動産や自動車など資産になるものは、共有財産にあたるかどうか確認し、単独財産であるものは明確に証明できるようにしておきます。
相手が不貞行為をしたなど法廷離婚原因となる行為があった場合は、その証拠を集め残しておきましょう。その場合、相手は有責配偶者とされ、慰謝料を請求するできることがあります。他にも、離婚まで別居している場合は婚姻費用の請求や、子供がいる場合は養育費の請求ができます。どの場合でも、相手の年収を把握しておく必要があるので、可能であれば源泉徴収票などのコピーを取っておくと良いでしょう。
また、相手の収入が少ない場合は離婚前に仕事を見つけておくと安心です。相手に収入が少ない場合や慰謝料を請求できない状況の場合、再就職が厳しかった時などに生活に困ることもあります。ただし、相手からのDVや虐待などの危険な状況である場合は身の安全を第一に別居を進めることも考えなければなりません。
再就職するためのポイント
まず、ブランクがある場合の再就職は厳しいという現実もあるため、半年程度は生活できる資金があると安心です。再就職先で上手くいかなかった時、退職して転職活動という選択肢がない状況であると無理をしてしまい体を壊してしまうこともあります。また生活資金がある状態であれば、始めからフルタイムで働き始めるのは不安という方でも短時間のパートから働き始めるなどの方法をとるなど無理のない再就職をできるようになります。
子供がいる場合は保育園や学童への応募も忘れずに行っておきましょう。専業主婦の場合、保育園への入園ができないと考えられる方もいらっしゃいますが、離婚成立前であっても、離婚する等事情を伝えておくと優先順位が考慮されることもあります。ただし、自治体によって対応は異なるので、離婚後に住む予定の自治体への確認は必要です。
また、子供がいる場合は一人でも多くの協力者がいる環境に住むようにしましょう。子供の環境を変えたくないと頼れる人の少ない土地に残られる方もいらっしゃいますが、子供が病気の時は病時保育に預けられなければ、仕事にいけなくなってしまいます。子供が病気の時でも頼れる人がいることをアピールできれば、採用側の不安も解消できます。
パソコンスキルに不安のある方はワードやエクセル、インターネットエクスプローラー、アウトルックなどの基本ソフトは使えると採用チャンスが広がります。自治体によっては、安価で基本スキルの講習などを行っているところもありますし、その他も取得できそうな資格があれば勉強しておくと良いでしょう。
シングルマザーのための助成金
シングルマザーはさまざまな助成金が受けられますが、申請をしなければ受けられないので、離婚後すぐに手続きが行えるように確認しておきましょう。
児童扶養手当
まず、児童扶養手当という手当を受けられます。児童扶養手当はひとり親家庭に支給されるもので、所得制限があり、物価の変動によって支給額が変わります。児童扶養手当の所得制限に算入されるのは、受給者本人の収入だけではなく、同居している扶養義務者の所得や、養育費を受け取っている場合は養育費の8割も対象です。
児童育成手当
シングルマザーのための助成金には、児童育成手当もあります。これは18歳になった最初の3月31日までの児童を扶養している、ひとり親家庭が対象です。こちらも所得制限はありますが、児童扶養手当と異なり、受給者本人だけの収入で支給が決まります。
医療費の助成
医療費の助成もあり、ひとり親家族等医療費助成という制度では、健康保険に加入している母子家庭や父子家庭などのひとり親家庭が対象です。病院で医療を受けた時に一部負担金を自治体に負担してもらえます。
交通機関の割引
交通機関でも母子家庭に対して割引を行っている機関が多くありますが、制度については各機関で異なるため利用交通機関に確認が必要です。その他にも粗大ごみ等処理手数料の減免や上下水道の減免、保育料の減免など自治体によってさまざまな制度があります。
これらの制度を利用しても生活が困窮してしまっている場合は生活保護を利用するという選択も可能です。生活保護を受けるには頼れる親戚がいないことや、健康上の問題で仕事ができないなどの要件があるため許可されないこともあります。
まとめ
専業主婦が離婚するリスクは経済的な問題と、お子さんがいる場合は今後の生活についてです。シングルマザーの場合は、さまざまな支援を受けられます。離婚をしないで生活していくという選択をすることも悪いことではありませんが、離婚するという選択肢がないと思われている方は、具体的なリスクに対する準備を知っておくだけでも今後の選択の幅が広がるのではないでしょうか。