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熟年離婚にありがちなキッカケとは?準備が必要なポイント

ひと昔前までは、どちらかというと若い世代の離婚が多かったように感じます。しかしながら最近では長年連れ添った熟年層夫婦の離婚、いわゆる「熟年離婚」が、珍しいことではなくなってきました。熟年離婚は、今や世間的にも馴染みつつあり、新しいライフスタイルであるといえるのではないでしょうか。

とはいえ、熟年層の夫婦が離婚を選択する際には、さまざまな悩みや大きな課題がついてきます。このコラムでは、熟年離婚に至るまでの原因や、必要な準備などをご紹介していきます。「熟年離婚」をお考えの方の参考になれば幸いです。

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[ご注意]
記事は、公開日(2022年10月27日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士に最新の法令等について確認することをおすすめします。

熟年離婚とは?

「自分が熟年離婚に相当するのか?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。実は熟年離婚という言葉には、明確な定義はありません。しかしおおよそのイメージとして、「55歳くらいよりも上の世代で、20~25年以上の婚姻期間があった夫婦の離婚」という意味合いで使われているようです。つまり「長年連れ添った中高年層の夫婦の離婚」というように解釈できます。

熟年離婚の原因とそのきっかけ

それではなぜ長年連れ添った夫婦が離婚を考えるのでしょうか。熟年離婚には、不貞行為など決定的な理由があるわけではないようです。

熟年離婚に多く見られる原因

  • 性格の不一致、価値観の違い
  • 配偶者の親族(姑など)と合わない
  • 配偶者の両親の介護がつらい
  • DVやモラルハラスメント
  • 家庭を大事にしていない、会話がない
  • 配偶者の不貞行為

熟年離婚となる原因は長年の間に積み重なっているものです。その原因に加え、「何かしらのきっかけ」により離婚を選択することが多いようです。そのきっかけは3つのポイントが考えられます。

夫の定年退職

夫との結婚生活に嫌気がさしている場合、夫の勤務中はまだ我慢できたかもしれません。夫の単身赴任などでほとんど別居状態だった夫婦もいることでしょう。しかしながら、定年退職を迎え夫が毎日ずっと家でゴロゴロしているとなると、これまでできていた我慢ができなくなるのです。働きに出ていたときは、バランスを保てていた夫婦であっても、お互いの生活スタイルが変わり一緒にいる時間が増えることによって、離婚に至るというケースが少なからずあります。

また夫側も定年退職後は、「わざわざ妻にサポートしてもらわず自立できる」という考えのケースもあります。

子供の自立

子供がいると夫婦二人の問題だけではなくなります。そのため子供の自立が、熟年離婚のきっかけになることが多いようです。 まず一つ目のケースとして、子供が社会人になるのを待ってから離婚をするケースがあります。夫婦間に問題があり、「どちらかが不満を抱いている」または「お互いが不満を抱いている」場合でも、やはり子育て期間中は、「離婚を我慢する」という考えの方は多いでしょう。

子育てには相当な費用もかかります。在学期間中に離婚するとなると、養育費などの問題も重なります。そのため子供の自立のタイミングを待つのです。 もう一つのケースとしては、子育てが終わりようやく一息つき、夫婦二人の時間を一緒に過ごすうちに「この人と一緒にいられない。離婚したい。」と判断に至るケースもあげられます。子育て中は毎日が怒涛のように過ぎていきます。その時には気づかなかったお互いの嫌な部分が見え始めてしまうのです。子供が自立し、夫婦二人だけの時間が増えることによって離婚を考えるケースです。

熟年離婚のハードルが下がった

ひと昔前までは、世間体などを気にして離婚を我慢する方が多かったことでしょう。しかし上述した通り、熟年層の離婚は珍しいことではなくなり、世間的に馴染みつつあります。熟年離婚という言葉は、誰もが知っているワードとなってきました。そのため、熟年離婚が特に恥ずかしいものでもなく、「自身の生活をよりよくするステップアップ」というプラスイメージで受け止められるようになったこともきっかけの一つです。熟年世代に、「我慢」ではなく、「離婚」の選択肢が追加され、離婚が容易になってきたのでしょう。

熟年離婚の原因とそのきっかけをそれぞれ分けてご紹介しました。

やはり単一の原因で突発的に離婚を選択するのではなく、きっかけとなるポイントもあるのです。もしかするとこれが熟年離婚の特徴なのかもしれません。

熟年離婚で後悔しないための準備

長年連れ添った夫婦が離婚に至る経緯については上述のパターンが多いようです。しかし何の備えもなく離婚してしまうと後悔する可能性もあります。ここでは離婚までにしておいた方がいい備えのポイントをご紹介します。

「熟年離婚」についてはこちらの記事もご覧ください。

財産分与の取り決め

熟年層の夫婦であれば、二人で築いた財産もきっと多いはずです。また離婚後、ちゃんと自立して生活できるのかを検討する必要があります。そのため「離婚後に、受け取れる財産分与はどれくらいになるのか?」を算出することはとても重要です。

財産分与の対象となるものは、購入した不動や土地、預貯金や退職金などです。また独身時代に築いた預貯金や、親族から相続した遺産などは対象となりません。

対象となる・ならないを把握し、自身の相続できる分はいくらになり、自立して生活していけるのか検討する必要があるのです。

年金を分割する手続きをする

婚姻期間中に納付していた年金保険料を、配偶者と分割できる制度があります。夫婦共働きで両者ともに年金を納めていた場合、納付額の少ない側が多い側に、年金額の分割を請求することができるのです。しかし請求された側の合意が必要となりますので、トラブルに発展してしまうケースもあります。

また専業主婦などで扶養されていた第3号被保険者の場合は、相手の合意なく請求ができます。

いずれにしてもこの手続きは離婚後の翌日~2年までの間にしかできませんので、事前に話し合っておく必要があります。

慰謝料の請求

熟年離婚の原因が、相手側になる場合は慰謝料の請求も検討しましょう。慰謝料を請求できる要因としては、不貞行為やDV、モラルハラスメントなど、精神的苦痛を被った場合などです。

熟年離婚の流れ

それではいざ熟年離婚を切り出す場合、どうすればよいのでしょうか。3つのステップに分けて説明していきます。

協議離婚(夫婦間の話し合い)

まずは夫婦間での話し合いで、離婚に関する取り決めを進めていきます。話し合いは、自分の意見を伝え、相手の意見を受け止められるよう冷静さが必要です。相手から離婚の合意が得られれば、財産分与や年金分割、必要であれば慰謝料の請求について話し合います。こちらが一番スムーズなパターンです。

離婚調停による離婚

協議離婚にて相手の合意が得られない場合には、家庭裁判所に申し立てることにより離婚調停を利用することができます。離婚調停では、離婚そのものだけでなく、子供がいる場合はその親権や、財産分与などに至るまでを一緒に話し合うことができます。DVやモラハラなどで精神的苦痛を受けている場合や別居している場合などで夫婦間の協議ができない場合は、離婚調停を申し立てるパターンが多いです。

訴訟を行う場合

離婚調停での話し合いでも合意が得られない場合、調停不成立となります。それでも離婚を希望したい場合、次のステップとして離婚訴訟を起こすことができます。こちらはいわゆる裁判となり、裁判所に離婚を認めてもらうことになります。また訴訟は、離婚調停の申し立てのステップを踏まずにはできません。

まとめ

以上、熟年離婚について、原因や必要な準備などのポイントをご紹介しました。熟年層の夫婦にとっての離婚は、これまで長年の結婚生活で築いてきた財産の種類や額も大きいため分割が難しくなる点と、今後の経済面の不安もあります。熟年離婚はよくよく考えて準備することが大切です。

「熟年離婚」をお考えの方の参考になれば幸いです。

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