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財産分与の3つの種類や対象となるものについて解説

近年熟年離婚をする夫婦が増えていますが、財産分与の対象となるものをしっかりと把握しておき、別れた後の生活を維持できるように工夫するようにしましょう。

対象となるものは基本的に半分に分けられます。熟年離婚の場合、老後の生活費が気になるところです。専業主婦や専業主夫であった場合でも、パートナーの退職金やへそくりなども対象となり、夫婦で購入した不動産や有価証券、厚生年金も対象です。財産分与のルールを正しく理解しておくことで、熟年離婚をした場合でも老後の生活を守ることができるでしょう。

では、対象となるものとならないものにはどのような違いがあるのでしょうか。

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[ご注意]
記事は、公開日(2022年11月9日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士に最新の法令等について確認することをおすすめします。

財産分与の権利とは

離婚時の財産分与は、婚姻生活の中で築いた財産を2人で半分にするための取り決めです。離婚をすると、慰謝料や子供の親権、養育費など決めなくてはならないことがたくさんありますが、夫婦生活で築いてきたものを正しく半分に分けることで、不公平な離婚とならないようにしなくてはなりません。

夫婦間の収入の差に関わらず、資産は全て半分に分けられます。そのため夫が働いていて妻が専業主婦の場合でも、夫が結婚後に築いてきた資産の半分を妻は受け取る権利があります。兼業で働いていた場合も夫婦の収入の差に関わらず、公平に2分の1にして分け合います。

財産分与は離婚をすると必ず行わなければならないというものではなく、その決定は夫婦の判断に任されています。財産分与請求権の放棄をすれば、財産分与をせずに離婚を成立できますが、一度放棄してしまうと、後から気が変わっても撤回はできないので気を付けなくてはなりません。

財産分与の請求可能な期間は、離婚後2年以内

また、離婚後に話し合いをして取り決めることも可能ですが、その場合、離婚後に財産を隠したり使われたりすると、受け取れる資産が減少してしまうこともあるので注意しなくてはなりません。トラブルに発展すると子供に迷惑をかけてしまう可能性も出てきます。 離婚後に安心して生活を送れるようにするためにも、財産分与に関する話し合いは離婚前に行い、その後の生活に影響が出ないように注意しておくと良いでしょう。そのためにも結婚生活の中でお互いの資産がどのくらいあるのかを、常に把握しておくことが大切です。

財産分与の種類

財産分与の清算方法には大きく分けると3つの種類があります。

清算的財産分与、扶養的財産分与、慰謝料的財産分与です。

清算的財産分与

清算的財産分与は最も一般的なやり方で、婚姻生活の中で築いた資産を2分の1ずつ公平に分け合います。専業主婦であっても家庭内の家事は労働として判断されるため、夫の収入がいくら多くても公平に半分に分けられます。家庭を支えてくれている主婦の努力があってこその夫の収入と考えられるからです。

扶養的財産分与

扶養的財産分与は、離婚をした時の職歴や年齢によって、相手の生活が著しく困窮してしまう場合に、一定期間相手の生活を補助する目的で行われるものです。熟年離婚の場合は再就職が難しく、リタイアしているケースもありますので、受け取っている年金の中から相手に支払いが行われることになるでしょう。

慰謝料的財産分与

不貞などどちらかの行為によって夫婦の信頼関係が崩れて離婚になった場合に選択できるのが慰謝料的財産分与です。財産分与と慰謝料の請求を同時に行うようなものとして考えておけばよいでしょう。慰謝料は通常金銭のみで支払われますが、慰謝料的財産分与の場合は不動産やそのほかの資産をもって支払われることもあります。

どのような経緯で離婚したか、離婚後の生活が維持できるのかによって選択する財産分与の種類も変わってきます。円満に、そして離婚後トラブルにならないように、しっかりと話し合いをして手続きの方法を決めておきましょう。 なお、負債があった場合は資産から引かれた分が財産分与の対象となります。負債のほうが大きい場合、積極的に議論はされていませんが、地方裁判所なのか家庭裁判所なのかで判断が異なる場合もあるので、弁護士に相談するのが良いでしょう。

財産分与の対象となるもの

結婚前から持っていた不動産や個人的なお金、有価証券、親から相続した遺産は対象外となっています。また結婚後に購入したものであっても、洋服や化粧品などの個人的な持ち物も対象外です。ただし高級腕時計やブランド品、宝石のような個人で使うものであっても、それを購入する代金は夫婦の協力によって形成された資産とみなされるため、財産分与の対象となります。

熟年離婚であっても退職前に行われる場合もあります。退職金も財産分与の対象となりますが、支払われるまでの期間がまだ長い場合や、会社に在籍していた期間が短いと受け取れない可能性もあります。そもそも退職金が出る規定があるかどうかも確認しておかなくてはなりません。

老後の生活を支えるうえで重要なものが年金ですが、年金も一部が分与対象です。国民年金や企業年金は対象外ですが、厚生年金や共済年金は財産分与できます。受給できる年齢まで待たなくてはなりませんが、配偶者が会社勤めで厚生年金に加入していた場合は、こちらも分割するように交渉をしておく必要があります。自営業者だった場合は厚生年金に加入していないため、年金を分割することができないので注意しましょう。

年金の分割は結婚したのが2008年の3月以前かどうかでも変わってきます。2008年4月に厚生年金の分割制度が導入されたため、この月以降から離婚するまでの期間の年金は分割できますが、それ以前の年金分については夫婦で話し合いをしなくてはなりません。話し合いがまとまらない場合は裁判手続きによって決定することになるので、決着までも時間がかかることがあります。

熟年離婚の財産分与トラブル例

熟年離婚の財産分与で多いトラブルが、長い結婚生活の中で隠し資産があるケースや、浪費をしてしまっているケース、持ち家の分け方や親から相続した財産と共有財産を混在していることによる財産の線引きなどです。

熟年にもなると家を購入している人も多く、離婚後に引っ越すのか、それともそのまま住み続けるのかの選択を迫られることがあります。高齢になってからの家探しはとても大変で、審査に落ちてしまうことも少なくありません。収入がないと新しい家の契約もできないので、離婚後の2人の仲にもよりますが、家の評価額の半分を渡す代わりに住み続けるという選択をする人もいます。

しかし所有権が相手にある場合、出て行けと言われれば出なくてはならないため、リスクがあります。購入したものではなく、相続によって得ている住宅の場合は分与の対象外となるため、譲歩する材料もなく、追い出される可能性もあります。

「財産分与」についてはこちらの記事もご覧ください。

離婚後に財産分与について話し合いをしようとする人も気を付けなくてはなりません。財産分与の請求は離婚後2年という時効があるため、この期限を超えてしまうと請求することができなくなります。ずるずると先延ばしにした結果、気づいたら請求できなくなったというケースもあります。こうならないためにも離婚の前からしっかりと協議を行い、別れた後はそれぞれ別々に生活をするのが良いでしょう。 離婚に至った経緯によって2人の仲も変わってくるため、トラブルになるかどうかは分かれます。解決できない場合は裁判をすることもありますので、こじれそうな場合は弁護士に相談すると良いです。

まとめ

熟年離婚は誰にでも起こりうる問題の1つです。外で働いていた夫が毎日家にいることでストレスを抱えてしまう主婦も少なくありません。コミュニケーション不足によっておこる熟年離婚もあります。老後の生活にも大きな影響を与えますので、離婚をすることになったとしても、その後の生活を維持できるように話し合い、不幸にならない道を探すようにしましょう。

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