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離活とは?知っておきたい離婚の準備と進め方

「離婚は、結婚よりも大変である…」このフレーズはよく耳にします。離婚を考えるということは、前向きな人生の一歩として捉えられればいいですが、夫婦関係がうまくいっていないということです。一番の味方であったはずのパートナーが一転、お互いの人生から離れたいと感じているのですからとてもストレスフルな状態です。また「離婚」というといまだにマイナスイメージがあるため、周囲になかなか相談できないといった状況もあります。

そして一人になったときの生活を踏まえて、準備することは多種多様にあります。その準備は日常生活をしながら、進めていかなければなりません。そのため、離婚は結婚よりも大変だといわれるのです。

離婚に向けて、後悔なく必要な備えができるよう、検討する内容や離婚の進め方についてご紹介していきます。「離活」を考えている方の参考になれば幸いです。

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[ご注意]
記事は、公開日(2022年10月27日)時点における法令等に基づいています。
公開日以降の法令の改正等により、記事の内容が現状にそぐわなくなっている場合がございます。
法的手続等を行う際は、弁護士に最新の法令等について確認することをおすすめします。

離活とは?

「離活」とは、「離婚活動」を略した造語です。一言で離婚といっても、自身の心づもりや新しい生活の準備、離婚の進め方などやることリストはたくさんあります。離婚を考えている方が、離婚をするためにさまざまな準備をすることを「離婚活動」、略して「離活」というのです。

離活は、「財産分与のため財産を把握」、「慰謝料に必要な証拠を集める」、「離婚後の生活をシミュレーションする」など、人によっても異なります。

これらをなにも準備せずに配偶者に離婚を切り出しても、真剣に取り合ってもらえない、分割できるはずの財産がもらえない、離婚後の生活がこんなはずじゃなかったと、自身に不利益な状況になる可能性が非常に高いです。

準備しておいた方がよい内容を、ひとつひとつ整理していきましょう。

離婚を切り出す前に考えること

離活をはじめたばかりの方には、なにから手を付ければいいのか悩んでしまうのではないでしょうか。まずは離活の第一歩として、考えた方がよいものを順に説明していきます。

相談できる人はいるか

離婚を乗り切るには、精神的ダメージを伴います。一人で乗り切るにはきっと困難な状況もあることでしょう。苦しいときに相談に乗って、支えてくれる人が必要です。

親や友人など自身の周りで助けてくれる人を探しましょう。

離婚以外の選択肢はないか?

なぜ離婚したいのか、どのような状況を改善したいのか、どんな生活を送っていきたいか、などを整理し、まずは意見を伝えあってみることが大切です。

「パートナーと離れたい」「今の生活が嫌だ」というだけで簡単に離婚を選択することはおすすめできません。離婚だけではなくどんな事柄でも、改善する努力や工夫は自身のプラスになるからです。

子供の親権はどうするか

子供がいる場合、まずは両親の離婚を受け止めてもらう必要があります。子供にとって親の離婚はショックが大きいものです。そのうえで、親権や養育費はどうするのかなどを検討しなければなりません。

経済的な不安はないか

専業主婦(夫)だった場合、今後の生活費の心配があります。慰謝料や養育費をもらえたとしても、それが永久に続くわけではありません。

一人で生活費を稼いでいかなければならず、経済的に困窮してしまう可能性もあります。ローンなどを組んでいるのであれば、残額はいくらかなど支払いに必要な分だけちゃんと収入があるか試算が必要です。

中長期的な目線で考えられているか

離婚して後悔がないように、今だけを見るのではなく、将来像を具体的にイメージしましょう。仕事でどれくらいの収入が得られているか、再婚を考えて子供を欲しているのであればそのリミット、など状況や将来像によってさまざまなパターンがあるでしょう。

離婚を選択することによって解放感は得られるかもしれませんが、将来像とは程遠い人生になってしまい後悔につながってしまうかもしれません。

離婚する前に準備すべきこと

いろいろ考えたうえで離婚を決意した場合、次のステップとして考えた方がよいものを説明していきます。

住居を決める

離婚後、現在の家はどうするのかも含めて、どこに住むのかをまず考える必要があります。現在の家に住まわないのであれば、新居探しや実家に帰る準備、場合によっては子供の転校なども視野に入れないといけません。

自立した生活の準備

生活費や子育て費用など、今後の生活設計を見越していくらかかるのか考えることはとても重要です。そのうえで、就労の必要性、自身の収入で生活費を賄えるのか検討します。

必要な生活費と収入が見えれば、財産分与や養育費など相手との交渉を進めやすいでしょう。離婚後の状況に応じて公的な援助を受けられる可能性もあります。どのような公的支援があるのか、リサーチしておくとよいでしょう。

財産を把握する

夫婦で築いた財産を整理しましょう。財産分与の対象となるものは、購入した不動産や土地、預貯金や保険解約金などです。共同名義でなくても、共有財産の可能性がありますので、すべて棚卸しましょう。しかし独身時代の預貯金や、配偶者側の親族から相続した遺産は、対象外となります。

自身の相続できる分はいくらくらいかを把握し、今後の必要な生活費と照らし合わせて考えてみましょう。

離婚原因となる証拠を収集する

離婚の原因次第では、離婚原因をつくった本人へ慰謝料を請求できます。そのため、離婚原因となる証拠を集めておくのです。証拠が立証されれば、慰謝料を請求できます

証拠の例として、不貞行為であれば、不倫相手とのラブホテルへの出入り写真、モラハラが原因であれば、録音データなどです。

離婚後に必要な手続きを把握しておく

離婚によって、住所変更や氏名変更などさまざまな手続きが発生します。役所や金融機関、携帯電話など必要な手続きをリストアップしておくとよいでしょう。

離婚の進め方

以上、ここまでが離活といわれる離婚活動の内容です。次は実際にどのように離婚を切り出し、子供のことや財産分与を決めていくのかを解説します。

協議離婚(夫婦間の話し合い)

まずは夫婦間で話し合い、離婚の意志を伝えます。話し合いでは、後悔しないよう自分の意志をきちんと伝えましょう。また、相手の意見も冷静に聞く姿勢が大切です。

相手に離婚を合意してもらえれば、財産分与や子供の親権などを話し合い、必要であれば慰謝料についての取り決めも行います。

離婚調停による離婚

夫婦間だけで離婚の話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。離婚調停では調停委員が間に入ってくれますので、DVやモラハラで精神的苦痛を感じているなど、配偶者と二人になるのがストレスの場合などは有効です。

また子供がいる、慰謝料を請求したいなど、取り決めが複雑な場合なども離婚調停を利用しないと難しいケースが多いです。

訴訟を行う場合(離婚裁判)

離婚調停でも合意が得られない場合は、次のステップとして離婚訴訟を起こすことができます。裁判所に離婚を認めてもらうことにより離婚成立となります。

離婚調停のステップを踏まないと、離婚訴訟は起こせません。また裁判所に離婚を認めてもらうには、民法で定められた離婚事由(不貞行為やモラハラなど)が必要となります。そのため、不貞行為やモラハラなどの証拠集めは重要なのです。

まとめ

不貞行為、DV・モラハラなど決定的な理由があれば話は別ですが、離活を進める前にまずは夫婦で話し合うことが先決です。夫婦仲の改善を試みてからでも遅くはありません。

そしていざ離婚を決意したのであれば、子供のことや将来のことを一つ一つ整理して考え、準備していきましょう。とにかく離婚には、精神的ストレスがつきものです。自身や配偶者、そして子供にとってもよい決断だった思えるよう、強い意志をもって行動することが重要です。「離活」をお考えの方の参考になれば幸いです。

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