生活費として婚姻費用を支払うよう請求しても、夫の回答は「勝手に出て行ったのだから支払わない」の一点張り。
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記事は、公開日(2022年12月13日)時点における法令等に基づいています。
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法的手続等を行う際は、弁護士に最新の法令等について確認することをおすすめします。
ご相談内容
夫の不貞行為を原因として別居した後、夫が生活費を支払ってこないことから、支払ってもらうにはどうしたらよいか、との奥様のご相談。
奥様から夫に対し、生活費として婚姻費用を支払うよう請求しても、夫の回答は「勝手に出て行ったのだから支払わない」の一点張りでした。
解決内容
そこで、夫から奥様に対し婚姻費用を支払ってもらうため、家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立てました。
調停においては、奥様は算定表(裁判所の実務上、婚姻費用の算定にあたり用いられる表)をもとに算出した常識的な婚姻費用を請求しました。
夫は、根拠にならないようなことを理由に支払わないとの回答を引き続き主張しておりましたが、調停がまとまらない場合審判に移行することや、その場合に決まる金額は奥様が主張している金額と大差ないことなどを、調停委員を通じて夫の説得を行い、結果、話がまとまり調停が成立しました。
弁護士からのコメント
婚姻費用の支払いは、別居後の本件の奥様にとって経済的に大きな意味を持っておりました。
そのため、夫が任意の話し合いでは支払う意思がないと判明した段階で、夫の婚姻費用の不払状態が継続することは明白でしたので、経済的・精神的に奥様の苦しい状況を解消する必要がありました。
そこで、早急に家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立て、申し立てた時点から婚姻費用が支払われるよう、また、奥様の主張する金額で調停がまとまるように活動し、その通りの結論となりました。夫は大手会社に長年勤務されており、婚姻費用の不払いで給料の差し押さえ等をされては困る立場であったこともあり、調停成立後きちんと支払いを継続していただきました。奥様は、婚姻費用の継続的支払を確保できたことを喜ばれておりました。
なお、不貞行為に基づく慰謝料についても、その後夫及び不貞行為の相手方女性に請求し支払っていただきました。